四季報解説② ~PER、PBR、配当利回りを詳しく解説!~

四季報に書かれている、「PER」「PBR」「配当利回り」ついて解説します!

目次
  • PER
  • PBR
  • 配当利回り

PER

PER:株価を1株当たりの利益で割ったもの。一般的にPERが低いと割安と見なされますが、成長企業では高くても期待値が高いことがあります。

PER = 株価/1株当たりの純利益(EPS)

  各証券会社サイト等に、計算された数値が掲載されているので、計算式は覚えなくても大丈夫です。

  「株価が1株当たりの利益の何倍になっているか」を示します。

  例) PERが15の場合、現在の株価は1株当たりの利益の15倍に相当します。

高いPER

投資家がその企業の将来の成長性を期待していると考えられます。しかし、高すぎると期待が過剰である可能性もあります。

低いPER

PERが低い場合、投資家がその企業の成長性に対して懐疑的である、または市場全体がその企業を割安と見なしていることを示します。ただし、業績が悪化している企業のPERも低くなるため、単純に低PER=割安とは限りません。

PERの意味
  • 15が平均: PERの数値はリーグの平均を15に設定しているため、15が平均的な選手の指標となります。
  • 20以上は優秀: PERが20以上の選手は非常に優れた選手と見なされます。
  • 10以下は改善が必要: PERが10以下の選手は、効率的なプレーができていないと見なされます。

簡単にまとめると、

PERは、高いと◎、低いと△ってイメージです。

PERの使い方
  • 業界比較:同じ業界内で他の企業とPERを比較することで、ある企業の株価が適正かどうかを判断することができます。
  • 市場の状況:市場全体や特定のセクターのPERを見て、市場全体の評価が高すぎるか低すぎるかを判断する手助けになります。
注意点

PERは非常に有用な指標ですが、企業の成長性やリスクなどを無視する単純な計算であるため、

他の指標や情報と組み合わせて判断することが重要です。

また、企業の収益が一時的に増減する場合、PERは変動しやすいので、

安定した利益を持つ企業の方が参考にしやすいです。

これらを踏まえて、PERは株式投資においてリスクとリターンを考慮するための一つのツールとして使われます。

PBR

PBR:株価を1株当たりの純資産で割ったもの。1倍以下だと、企業の純資産に対して株価が低いとされ、割安株と見なされることがあります。

  PBR=1株当たりの純資産(BPS)株価​

 証券会社サイト等に、計算された数値が掲載されているので、こちらも計算式は覚えなくても大丈夫です。

  「株価が1株当たりの純資産の何倍になっているか」を示します。

  例)PBRが1.5の場合、現在の株価は1株当たりの純資産の1.5倍に相当します。

 1倍~ ⇒ 株価>純資産

       企業の将来の成長や収益性に対する期待が反映されていると考えられます。

 1倍  ⇒ 株価=純資産

       理論的には企業が清算された場合、投資家がちょうど投資額と同額を回収できることを    示します。                           

~1倍  ⇒ 株価<純資産

       企業が市場から割安と評価されているか、または将来の業績が不安視されていることを示す可能性があります。                     

PBRの意味
  • 1倍: 株価が純資産と等しい場合、PBRは1倍になります。これは、企業が持つ資産の価値と同じ価格で株式が取引されていることを示します。
  • 1倍未満: PBRが1倍未満の場合、その企業の株価が純資産に対して割安である可能性があります。市場がその企業の将来性や収益性に対して悲観的な見方をしている場合が多いです。
  • 1倍以上: PBRが1倍以上の場合、その企業の株価が純資産よりも高く評価されていることを意味します。これは、その企業の成長性や収益性に対して市場が期待していることを反映しています。

簡単にまとめると、

1以上だと安定性◎、1以下だと△です。

PBRの使い方

投資家はPBRを他の指標(PERなど)と組み合わせて、企業の総合的な評価を行います。

例えば、PBRが低く、かつPERも低い場合は、割安な投資機会である可能性があります。

一方で、PBRが高くても成長性が期待できる企業には、その価値があると判断されることもあります。

PBRは単独ではなく、企業の財務状況や市場の状況と併せて考慮することが重要です。

PBRの注意点
  1. 業種間の比較には注意が必要
    • PBRは業種や業態によって大きく異なる傾向があり、同業種内での比較は有効ですが、異なる業種間での比較は慎重に行うべきです。
    • 例)資本集約型の業種(製造業、不動産業など)ではPBRが低くなることが多い。逆に、無形資産が多い業種(テクノロジー、サービス業など)ではPBRが高くなることが一般的です。
  2. 企業の成長性を考慮する
    • PBRが低いからといって必ずしも「割安」とは限りません
    • 低PBRの企業は、市場から成長性や収益性に対して悲観的な見方をされている可能性があります。逆に、高PBRの企業は市場が高い成長性や収益性を期待していることを示している場合があります。企業の将来性や市場の成長トレンドを考慮することが重要です。
  3. 純資産の質に注意
    • PBRは帳簿価値(純資産)を基に計算されますが、この帳簿価値が適切に評価されているかどうかを確認する必要があります。企業の純資産に含まれる不動産や機械設備などの資産が、実際の市場価値に見合った価値で計上されているかどうかは、慎重に評価する必要があります。
  4. 無形資産の影響
    • PBRは無形資産(ブランド価値、特許、商標など)を十分に反映しない場合があります。特にテクノロジー企業やサービス業では、無形資産の価値が企業全体の価値に大きく寄与することが多いため、PBRが低いからといって単純に「割安」と判断するのはリスクがあります。
  5. 株価の変動による影響
    • 株価が短期間で大きく変動する場合、PBRも大きく変動します。市場全体の動向や外部要因による株価の急激な変動がPBRに与える影響も考慮する必要があります。
注意点

PBRは企業の評価や株式の割安・割高を判断するための有用なツールですが、

業種や企業の状況、その他の財務指標を総合的に考慮することが重要です。

適切な文脈で利用することで、投資判断をより効果的に行うことができます。

配当利回り

配当利回り:1株当たりの配当金を株価で割った割合。配当利回りが高い企業は、安定した配当を提供する傾向があります。

配当利回りの意味
  • 高い配当利回り: 配当利回りが高い場合、その企業の株式は高い配当収益を提供していると考えられます。これは、投資家にとって魅力的な投資機会となる可能性があります。
  • 低い配当利回り: 配当利回りが低い場合、株価が高く評価されているか、配当金が少ない可能性があります。特に成長企業では、利益を事業拡大に再投資するために、配当金が少なくなる傾向があります。
配当利回りの利点と欠点

利点

  • 収益の指標: 配当利回りは、株主が株式投資から得られる定期的な収益を示すため、安定した収益を求める投資家にとって重要な指標です。
  • 比較が容易: 異なる企業の配当利回りを比較することで、どの企業がより高い収益を提供しているかを簡単に判断できます。

欠点

  • 株価の変動による影響: 株価が下落すると、配当利回りは自然と高くなります。しかし、株価の下落が企業の経営不振を反映している場合、将来的な配当金の減少や廃止のリスクがあります。
  • 配当金の安定性: 高い配当利回りは必ずしも持続的な配当金を意味しません。企業の業績が悪化すると、配当金が減少したり、支払われなくなる可能性もあります。
  • 成長企業への投資機会を見逃す可能性: 配当利回りが低い成長企業に投資する場合、その企業が長期的に大きなキャピタルゲイン(株価の上昇)を提供する可能性がありますが、配当利回りに基づいた評価では見逃されることがあります。
配当利回りの活用方法

配当利回りは、安定した収益を求める長期投資家や、リタイアメントのための収益を確保したい投資家にとって有用な指標です。

特に、高配当利回りの株式は「インカムゲイン」を重視する投資戦略で重要視されます。

しかし、配当利回りだけでなく、企業の業績や成長性、配当政策の安定性を総合的に評価することが重要です。

高配当株投資をするのであれば、この配当利回りが、

長年安定しており、増加傾向のあるものを買います。

まとめ

PERは、高いと◎、低いと△

PBRは、1以上だと安定性◎、1以下だと△

配当利回りは、安定した収益を求める長期投資家や、リタイアメントのための収益を確保したい投資家にとって有用な指標。

業種や企業の状況、その他の財務指標を総合的に考慮することが重要です。

今回の記事は以上です!PER、PBR、配当利回りについて解説しました。この記事が皆さんの投資活動に役立てば幸いです。

ぜひコメント欄で感想をお聞かせください。また、他の記事もぜひご覧ください。

読んでいただきありがとうございました!

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